小さなものから大きなものまで
断面の形状が四角形の「角形鋼管」、いわゆる「角パイプ」には、さまざまな規格があります。
機械のフレーム材や家具の部材などとして使われる小さめの角パイプだけでなく、大規模建築の柱などに使われる大きな角パイプもあります。
角パイプ規格はサイズごとに小径・中径・大径に分かれていて、一般的に「角パイプ」というと小径のものを指すことが多いです。建築などに使われる大径のものは「コラム」と呼ばれることがあります。
一般的な「小径角形鋼管」(小径角パイプ)は、もともとはJIS規格に適合する丸管のパイプを角形に成形したものがベースとなっています。
JIS規格に則った角パイプ規格は製品名をSTKMRと表記され、スモール角やスモール角パイプなどとして販売されています。
用途に合った大きさ
STKMR(小径の角パイプ)より、やや大きい「中径角形鋼管」(中径の角パプ)は製品名はSTKR(一般構造用角形鋼管)と表記され、中径角や中径角パイプなどとして販売されています。
小径の角パイプが家具や機械部品などの用途で使われることが多いのに対し、中径角パイプは建築物、機械のフレーム、仮設資材などに使われています。
それよりも大きな大径角形鋼管(大径角パイプ)は、角パイプではなくコラムと呼ばれるタイプの資材となり、ナカジマ鋼管という企業が製造している「スーパーホットコラム(SHC)」があります。
このように、角形パイプ規格は、パイプ径のサイズによってさまざまなものがあります。どの角形パイプ規格のものを選ぶかは、目的に応じて変わってきますが、建築で使うのであれば中径以上の角パイプがよく選ばれます。
また、角パイプ規格と一言で言っても、径口サイズのほかにパイプの成形方法に違いがあることもあります。
大径角パイプ(コラム)の成形にみられるロール成形(BCR)やプレス成形(BCP)といった成形方法は、通常の小径角パイプで行われている冷延コイルを使用した成形よりも重量を減らすことができるなどのメリットがあります。